マザーツリー誕生 ~1875年~
タカシと父
地球-青森県-弘前市-岩木山麓
青森県弘前市にある岩木山は、津軽地域の自然の守り神として今も崇められている。
岩木山の麓の村のりんご農家でタカシは、生まれた。
頑固で職人気質な父の「りんごへのこだわり」は最たるものであった。
りんごを愛するあまり、毎日寝室でりんごを愛でていた。
日の出から日の入りまで、毎日りんご畑で作業をするが、りんご農家の経営状況は全然安定しない。
そんな父の背中を見てタカシは育った。
タカシ 薬剤師を目指す
実際に青森県のりんご農家の大半は経営状況がとても良好とはいえない。
日本一の品質と言われている青森県のりんご農家がなぜ、こんなにも経営が困難なのか、その矛盾の中で育ってきたタカシは、引く手数多で安定した「薬剤師」の仕事をしている。
草食系男子のタカシは風邪を毎年こじらせる。
父:「タカシ、りんごを食べないから風邪をひくんだ。”一日一個のりんごは医者いらず”という諺が昔からあるだろ」
タカシ:「今回は早めに薬を飲まなかったからだよ、”薬に勝る薬はない”んだ。」
父:「じゃあ、早めに飲めばいいじゃん」
タカシ:「うるさいなー、忙しいんだよ」
といってタカシはえへこんつけたが、薬剤師である自分よりも農家の父の方が、よっぱど忙しいのは承知の上での買い言葉しかタカシから出てこなかった。
えへこんつける
津軽弁:いじけて、おこる様子
全国的に子どもに見られる事象であるが、津軽では大人になっても、えへこんつける人をよく見かける。
父倒れる
ある日、タカシが家に帰と、父が腹から出血して死んでいた。
タカシ:「父さん!!」
そしてその横には、血の付いたナイフを持った、リンゴが立っていた。
この林檎は、手足が生えていて、二本脚で立ち、種のような目でこちらに気づき、振り向きざまに、ナイフを持って飛びかかってきた。
逃げる タカシ
外に飛び出しもう大分遠くの駐在所まで来た。
タカシ:「大変だ!父さんがりんごに殺されたんだ!」
お巡りさん:「君、落ち着いて状況を話してくれ」
タカシ:「林檎が!父さんが腹から血を出して死んでて・・」
お巡りさん:「お父さんが倒れたんだね。家はどこだい」
タカシ:「今行っちゃだめだ!りんごが襲ってくるよ!」
お巡りさん:「・・・・」
「お巡りさんは鍛えてるから大丈夫」
と言って、お巡りさんは安心させるための笑みを浮かべた。
その時タカシは、お巡りさんの机の上に林檎があるのを見つけ、夢中で飛び出しまた逃げた。